私は相続時の不動産・空き家の相談窓口をやっていますが、過去に実際にあった事例をご紹介します。
神戸市内にある自宅をすぐにでも当社に引き取ってほしいと言われ、急ぐ理由を聞くと
①所有者のお父様が入院中で相続が発生する前に処分したい
②毎月の管理が大変で借地費用がもったいない・・・
じゃあ引き取りましょうか?と話になりました。
相談者は所有者の長男でしたので私は不動産業者として
①売主の本人確認と意思確認が必要
そこで私は、司法書士の先生に本人確認と売却意思があるかどうかを確認の依頼をしました。司法書士の先生は所有者に売却してもいいかと質問をして判断能力がありと判断して
急いで契約手続きの準備をしました。
しかし、その準備をしている1週間程度で体調が急変してしまいお亡くなりになってしまいました。
今回の事例での注意点
①売主の本人確認と意思確認(本人の意思が確認できないと資産は動かせない)
②ご相談者が本当のことを言っているのか?(実は他に兄弟がいて相続でもめているかも)
③急ぐ理由はなぜなのか?(今回は管理費用を掛けたくないが理由でした)
所有者の関係者として注意すべきこと
①所有者が痴呆になってしまうと資産は動かせない(銀行の預金も株式も全て!)
別件ですが銀行の預金を高齢者施設の入居資金として引き出そうとして本人確認をして
引き出してもいいよねと銀行の前で練習して行って、いざ銀行の担当者の前でわしはそんなこと言ってない!といって引き出せなくなったとかのお話もよく聞きます。
②エンディングノートを書いてみるように進める。(けんかになったらごめんなさい)
③早めにボケる前に司法書士や行政書士の先生に任意後見や家族信託など相談する。
④パソコンなどのデジタルパスワードをこっそり残しておく
ちなみに今回のケースはその後、相続手続きを終了して数か月後に取引をしました