不動産業界のDX化の中でも、売買契約や賃貸契約の電子化についてお話しします。
これまでの不動産契約といえば、紙の契約書に署名・押印、そして対面での重要事項説明が当たり前でした。しかし、2022年の宅地建物取引業法の改正により、契約書の電子交付やオンラインでの説明が正式に認められ、いわゆる「電子契約」が可能になりました。(以前は対面で説明が必須)
この変化によって、契約のあり方が大きく変わりつつあります。まず注目したいのが、電子契約の普及状況です。2023年の調査によると、賃貸契約における電子契約の導入率は約18.7%。まだ2割弱ではありますが、コロナ禍以降、非対面での契約ニーズが高まり、導入企業は急速に増えています。
さらに、電子契約サービスを提供する企業のデータによると、2022年度の賃貸契約の電子化件数は約87,000件。これは年間で約124万枚の紙の削減につながり、環境負荷の軽減にも貢献しています。
売買契約の電子化は、賃貸に比べて慎重に進んでいますが、大手不動産会社ではすでに導入が始まっており、業者間取引では増えつつあり、今後は個人間取引にも広がる可能性があります。
では、電子契約のメリットとは何でしょうか。大きく3つあります。
①「契約のスピードアップ」。郵送や対面の手間がなくなり、最短で当日に契約が完了するケースもあります。
②「コスト削減」。電子契約では印紙税が不要になるため、事業者にも購入者にも経済的なメリットがあります。
③「契約管理の効率化」。クラウド上で契約書を保管・検索できるため、更新や条件変更もスムーズに行えます。
もちろん課題もあります。高齢者やITに不慣れな方へのサポート、セキュリティ対策、電子署名の法的理解など、まだ整備が必要な部分もあります。そこに目を付けた詐欺集団、地面師なども出てくるでしょう。しかし、これらは技術と制度の進化によって徐々に解消されていくでしょう。
不動産取引は今、紙とハンコから、データとアルゴリズム(人の判断を論理的に再現するための仕組み)へと進化しています。契約という重要なプロセスが、より透明で、よりスピーディに、そしてより安全に行えるようになることで、業界全体の信頼性と効率が高まっていくのではないでしょうか。
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